「ジョルジ・ベンジョール
〜 生粋のファンキー・マランドロ」
ジョルジ・ベンジョールは独特で最高のリズムを叩くサンビスタ、バンド・リーダー、ファンクマン。形破りなサウンドは自身が「サンバとマラカトゥの混ざり合い」と言うとおり、都会的なサンバにもう一度アフロ・リズムをかけ合わせた魔法のビートがベースである。そのつかみどころの無さはリオの"いかがわしいダンディたち"、マランドロの末裔と呼ぶにふさわしい。
1942年リオデジャネイロ生まれ。ジョアン・ジルベルトとリトル・リチャードを敬愛するという彼のギター・リズムはあまりにも独創的で、60年代前半に出現したときは他のミュージシャンが彼のリズムに付いていけなかったといわれる。彼はまさにブラジリアン・ブラック・ミュージック(サンバ・ソウルともいう)を先駆けた天才なのである。
デビュー以来、彼の音楽はジャンルや時代を問わず、数え切れないほどのアーティストたちを刺激し続けている。1963年のデビュー曲「
」は、セルジオ・メンデスがカバーしアメリカで大ヒットさせたことで、エラ・フィッツジェラルド、ディジー・ガレスピー、フリオ・イグレシアス、ホセ・フェリシアノといった世界的スターたちもこぞってカバーした。
エリス・ヘジーナは「Zazueira」を、ウィルソン・シモナル、イヴァン・リンス、ダニエラ・メルクリやパウリーニョ・モスカらは「Pais Tropical」を歌う。ガル・コスタの「Que Pena」はあまりにも有名だ。
カエターノ・ヴェローゾやフェルナンダ・アブレウ、ハシオナイスMCは「Jorge de Capadocia」を、イヴェッチ・サンガーロやレイラ・ピニェイロは「Por Causa de Voce Menina」をカバー。トッキーニョとの共作「Que Maravilha」もマリア・クレウザやヴィニシウス・ヂ・モラエスも歌っている。
マックス・カバレラ(ソウルフライ)やアンビシャス・ラバーズは「Umbabarauma」を、マリーザ・モンチも「Balanca Pema」、「Cinco Minutos」をカバーする。
他にも数え切れないほどのアーティストがベンジョールの曲を取り上げているが、サンバ、アシェー、フォホー、レゲエ、ロック、ヘヴィーメタル、ソウル、ラップといった、世界中のありとあらゆるジャンル、アーティストたちにカバーされる驚異の存在である。
アルバム・リリースは30枚以上、来日公演は2度(72、92年)行っている。最新アルバムは9年ぶりのスタジオ録音作品の『Reactivus Amor Est(愛こそすべて)』(04)。このアルバムの収録曲「Mexe Mexe」は、サッカーの"王様"ペレのドキュメンタリー映画『Pele Eterno(永遠のペレ)』(04)のテーマ曲に使われた。
彼の代表曲「Pais Tropical」の歌詞にこんなフレーズがある。「俺のいる国は暑くて、自然が超キレイで、神様が手を広げているんだ。2月にはカーニバルがあるぜ。俺の持ち物はオンボロ・ビートルとギター1本。好きなチームはフラメンゴ、彼女の名前はテレーザだ」。彼を象徴する最高の言葉かもしれない。
♪代表曲
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